司馬遼太郎とドナルド・キ-ンの対談集。
本当に『歴史』ものには弱いので、司馬遼太郎の本も実はほとんど読んでないけれど、この人の日本文化に対する視点がよくわかって、多くの読者を引きつける理由がわかるような気がする。
しかし、司馬遼太郎という作家は随分本を刊行しているけれど、これだけの量の本をどう書いていたのかしらね、と私など単純に感動するけれど、精力的で長生き(1923‐1996)した人だったのですね。相当な知識もありながら、日本人や日本文化についての興味と疑問をさらに持ち続ける『能力』と『意欲』はスゴイ。
ドナルド・キ-ンという人は文化功労者だそうだ。この対談は日本語で行われたそうだが、とても日本語が美しく、論理的でわかりやすい。当然後に構成が行われたかもしれないが、もともと英語(外国語)を母国語とする人が日本語で話すとき、こんな風にきちんと構築された文章で話すひとが多いから、話し言葉をかなり忠実に文字にしたのではないだろうか、となると私(たち日本人)は相当話しことばを勉強しないといけない、と強く反省。
どの話題も面白くて、日常の小さい疑問をちょっと解決の方向に導いてくれる。もちろん方向であって、それ以上は自分で勉強する必要がある。
目次は、
<第1章> 日本文化の誕生
<第2章> 空海と一休
<第3章> 金の世界・銀の世界
<第4章> 日本人の戦争観
<第5章> 日本人のモラル
<第6章> 日本にきた外国人
<第7章> 続・日本人のモラル
<第8章> 江戸の文化
文庫本の初版は1984年4月、中央公論新社より。
0 件のコメント:
コメントを投稿