2017年11月7日

洋画覚書 「SILENCE」  沈黙 サイレンス


マーティン・スコセッシ監督が28年前に読んだ遠藤周作の小説を、長い年月かけてようやく映像化したという。
17世紀の日本におけるキリシタン弾圧、渦中のポルトガル人司教を通じて信仰と信仰の意義を描く。とても考えさせる映画です。

欧州先進国は、欧州文化は人類にとって最良と考え、彼らの視点を主張する姿勢は現在でも同様だと思う、良しにつけ悪しきにつけ、、、。現代に事情対照してみれば、相手の事情や背景は、あまり考慮に入ってないのじゃないかなぁと思うことも多々あり、当時の日本側がある時期、西洋の信仰を拒絶した理由もわからないわけでもない。

映画を観てから原作を読みたくなったので、早速文庫本を注文。かなり原作に忠実に作られている映画だったというのが、早読み読後の感想。
映画は「井上筑後守」役のイッセイ尾形が原作から抜け出してきたようにリアル。「キチジロー」は原作よりもっともっとずる賢く、とても西洋人ぽいのだっだ。ユダと交差してるからこんな風なのかも。

ところで、17世紀の日本はこれほど貧しかったのか、とは夫のひとこと。苦しい暮らしから逃れ、天国に行きたいという理由で信仰を貫いたくらいに、ひどく貧しかったらしい。改に信仰を持つとはさまざまな理由によるのだ。