この実現について、たくさんの時間を砕いてくれたはヴィットだった。
彼はやはり教師でイタリア語を教えているので、確かに職業上慣れたことかもしれない。それにしても仕事を持っている、ほかのクラスメート全員の希望を調整するのはそれほど簡単ではない。
日本人の私はイタリア人と同等にやるには、少し耳と発音にハンデがあると彼も承知している(と想像する)が、尻込みしている時には、いつも励ましの言葉と気使いを忘れなかった。だから、第1回の授業のときに、前回よりずっと効果的だと感じて、すぐに彼の見えない後押しにおおいに感謝した。
今回は市役所に申し込みをして、公立の中学校の放課後の教室を借りることにしたのだ。イタリアの小中学校は1クラスの人数が少ないらしく、教室も小さく、先生の目も耳も生徒全体に届くようになっている。散漫になりがちな子供たちを教育するための良い環境だなあと、遠いむかしの、自分の小中学校時代の教室と比較しながら感心したりする。
小さい教室の、しかも開き直って一番前の、聞くのも話すのもよくできるアンナの隣を陣取った。彼女のようなわかっているひとに、時々イタリア語で解説が必要な私に手を貸してもらいたいからだ。
教師つきコースが始まる前は、聞き取れないことで他の皆についていけないのではないかとかなり心配していたが、この教室は、フランス人女性の高めの細い声が聞き取れるのだ。もちろん、授業内容からそれる笑い話なんかは、半分くらいしか理解できていないから、一緒に笑えないというのが現状なのだが。でも、自分で音の聞き取りができると意識すると嬉しくなってくる。
それから、一番前の席は黒板との距離が近いので、癖のある彼女の書くアルファベットもよく見える。だから言ったことを逃すという回数が少ない。
そういえば、前回の授業のことだ。
ことある毎に日本人にはフランス語の発音が難しいでしょう、といわれているのだが、音によってはイタリア人より、日本語のほうが馴染みのあるものもあるということを発見。『あらら、日本人のほうが上手い』と先生が苦笑するなんてこともあった。つまりイタリア人にとっても難しいのだ。
昨年受講した初めてのフランス語コースの時より、格段にわかりやすく、聞こえてくると話してみる、話に加わると面白いからますます意欲的になってくる。
イタリア語にも英語にも近い言葉が多いから、正しい発音を追及されなければ、よくわかっていない私でもフランス語風に話す(?)ことはそれほど難しくなさそうだ。
ただし、イタリア語とフランス語は似通っているがために、ちょっと誤解をしやすい。フランス語はとてもダイレクトな表現をするという印象を受けるのは、まだ私が初心者だからかもしれない。
暫く勉強してみるつもりだ。
とても良い教材を勧められたので、紹介しておきます。ここにあるフランス語発音に対比する日本語の音というのが興味深かったので。
東外大言語モジュール
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