2007年1月18日

Hell in the Pacific-太平洋の地獄


監督:ジョン・ブアマン
主演:リー・マービン、三船敏郎

日本語を教えていると、私自身も知らない日本の情報を、教えている彼女たちから得ることも多い。

そのひとつが懐かしい日本の俳優の出てくる映画で、生徒のひとりが教えてくれた1968年製作のアメリカ映画。彼女は日本語を勉強しようと録画したらしいが、ブラウン役の三船敏郎は叫んでいるばかりなので、聞き取りにくく、辞書をひいたところで単語はわからずにいたに違いない。どうやら日本語の学習にはならなかったようです。

映画は太平洋の孤島に残された米兵と日本兵の共存?を描いているのだが、同じ境遇においてのアメリカ人と日本人との、それぞれの反応の違いが可笑しい。

こう比較すると、やはり米兵は全般にリラックスしていてずる賢く、日本兵の築いた生活品や獲得物を横取りしても厚顔。太平洋の孤島で、自分ひとりが生き延びることがまず最優先の状況だから仕方がないともいえるが。

一方日本兵は、どんな境遇においても几帳面で計画的、環境に適用しようと努力する。無人島での生活も規則正しく、可能な範囲で生きるため前向きな姿勢である。(流石!)飲料水を確保したり、雨風をしのぐ場所を家に化し柵を作る、健康管理のための体力つくりも怠らない、など時間の過ごし方も、寝ているだけの米兵とは大違いなのだ。

近代西洋映画にでてくる日本人は、大抵どこか間が抜けていてコミカルなことが多いが、真面目であることがまたコミカルに映ることもある。この映画はあえて几帳面で努力家、真面目で硬い日本人気質を強調したようなところもあり、それを傍から眺めてからかっている米人という印象も受けた。

しかし、硬いとも思われる日本人気質は、もっと自慢しても良さそう。ずる賢い(と私には映った)米兵よりもずっと建設的、とても魅力なことだと思う。映画での三船敏郎は顔つきもしまっていてなかなかハンサムだったせいもあるが、(1968年作です!)気質も外見も日本人硬派の代表のよう、迫力あります。西洋人を真似るばかりが良いわけではないのねと、きっと納得するはず。

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