2009年6月10日

『果てしなく美しい日本』ドナルドキーン著


#本の構成#

学術文庫序文
第一部 生きている日本: 足立康訳、1973年8月、朝日出版刊
第二部 世界のなかの日本文化: 県民カレッジ叢書37、1993年3月、富山県民生涯学習カレッジ刊(1992年7月20日、夏期講座富山会場における日本語による講演)
第三部 東洋と西洋: 足立康訳、1999年10月9日、ザビエルイ上陸450周年記念国際シンポジウム記念公園英文原稿

『生きている日本』として1958年ころニューヨークの出版社から刊行され1973年日本語版として朝日出版社から刊行、講談社学術文庫版は生きている日本にふたつの講演内容を掲載、書名を『果てしなく美しい日本』として再刊。

近頃のわたし個人の関心事『日本とは、日本人とは』について大いに満足させてくれる一冊。
著者の前書きにも述べているとおり、50年前の外国人の視点から見た日本の姿は現在では大きく変わっていることも多い、しかし変わっていないこともはるかに多いことに納得。

第三部の東洋と西洋の講演でも指摘、

ここ50年間、日本は世界文化の不可欠な一部となりました。今日では、日本の寄与しない世界など、ちょっと考えられません、、、(略)日本独自のやり方を根本からかえはしませんでした、、(略)たとえどのような美味が外国から輸入されようと、日本人は永久に日本食を好むでしょう。
家についても事情は同じです、、、(略)たいがいの俗説同様、、、(略)日本人は木の家に住むのが好きなのです。
(中略)
日本人はけっして自分の文化を放棄するつもりはない、、、
(中略)ともあれ、世界の文化が将来どのような道を歩むにしろ、日本が主要な貢献をなすことは間違いありません。


と締めくくってくれているところはまさに共感、また一外国人が日本文化を好意的に評価記述しているのでさらに嬉しくなる。
ただし、数年後にどのように変化しているか、ひょっとして明日にでもこの日本感が古いと感ずる日が来るかも知れないとふと心配になるが、ここの永久にという言葉がより永い時間であることを祈って。

足立康訳、ぜひ一読を。

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