2005年スペイン映画。監督:ペドロ・アルモドヴァール(注:伊語読み)
ペネロペクルス演ずる主人公が妹と娘とともに、母親の墓参りの帰りに、故郷の年老いたひとり暮しの叔母を尋ねるところからストーリーが始まる。風車のある長い道のりを車で走るからスペインは広いことと、そこが風の強い町であることがうかがえる。
彼女は娘と愛人と暮しているが、愛人は今日失業したばかり、それほど裕福でない様子だが、とりまく人々とともに、日々を十二分に暮している。
日常の突発的な出来事を通して、近所に住む友人たちや、妹、故郷の隣人、母親と自分の娘との密接な優しい関係が描かれている。
この奇妙な出来事に関して、どんな角度からも誰も非難していない人間関係がとても面白い。前回みた同監督の『Tutto su mia madre』(邦:オールアバウトマイマザー)の時も感じたが、スペインは人々の共存距離がイタリアに比べるとまだ数センチ近い、という感じ。心打たれるくらい。
映画の中で、ペネロぺクルスがアコースティックギターの伴奏で歌う曲がとても良い。切ないけれど、あたたかく、キューンときます。
しかしぺネロぺクルスという女優は不思議。(イタリア人の発音では、ぺネロッぺクルッツという風に聞こえるんですが。)
彼女の出演したイタリア映画『Non ti muovere』(2004年)は本当に泣けてしまう映画で、それも彼女が演ずる移民のアルバニア人が、それはそれは見事にひどい化粧と洋服や身につけているもののセンス、ハイヒールを履いて歩く後ろ姿が気の毒としか言いようがなく、身なりも運命もとてもかわいそうだったのが印象的だった。映画の内容ももちろんだったが、彼女が上手すぎてイタリア人の友人たちもこぞって泣いた、らしい。
いろいろ観ているわけではないのけれど、この方って『ごく普通で、けなげに力強く生きている、人の良い女性』を演じたら、実生活もこの傾向があるのではないか、と信じてしまう力がある。
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